シフォンケーキと向き合う時間がくれるもの

粉雪シフォンの日常

こんにちは。

米粉・お米シフォンケーキのkonayuki 直子です。

スイーツショップの開業支援・独立のサポートをしながら、

全国にグルテンフリーの “ふわじゅわ” オリジナルシフォンを届けています。

わたしが大切にしているのは「カタチを超えた真の創作を伝えたい」という想い。

この想いに共感し、konayukiシフォンを愛してくださる方の夢の後押しをしています!

今日お届けするテーマは「私にとっての創作の時間」について。

どうぞ、ゆっくりと読んでいってくださいね❅*

生地の声が聴こえる瞬間

いちごの季節が終わりに近づくと名残惜しさが出てきて
何度も作りたくなるのが、いちごのロールケーキ。

繰り返し焼いているレシピでも、
材料を準備して卵を割った瞬間から
すっと頭が切り替わり、集中が始まります。

ボウルに響く泡立て器の音、
色や形を変えていくメレンゲ。

心のざわざわが鎮まり、
いつしか無になっていくような感覚があります。

米粉のケーキはとても繊細です。
卵のコンディション、室温、湿度。

毎回違う条件の中で「ふわじゅわ」な生地を作るプロセスは、
これまで培ってきた自分の感覚との戦いの時間でもあります。

ボウルに泡立て器を入れた時に感じる、音や抵抗感。

生地の声をよく聴いて、
「このまま混ぜるか、止めるか」を決めています。

目と手と経験値で読み取る。
雑念を払い、ただ目の前の生地の状態に集中する。
それが私にとっての、「ケーキと向き合う」ということです。


仕上がりを見れば、ケーキのご機嫌がわかる

焼き上がったロールケーキを巻いたあと、
ドキドキ、ワクワクしながら確認するのがケーキの断面のいちごの位置。

巻きのテンション、生地のしなり、いちごを置く時の角度。
どれか一つでもズレていたら、いちごは中心から外れてしまう。

うまく真ん中にいちごが収まっていたときは、
「今日はご機嫌に仕上がってる」と、心の中でガッツポーズ!
思わず口元がゆるみます。

このほんの少しの差が、私にとって大切なポイントで、
「今日、ケーキとどう向き合えたか」が出てくると感じています。

丁寧に焦らず、最後まで集中していたときほど、
いちごが真ん中にスッと収まってくれる。

それを見ると、ケーキが
「今日の手の動き、よかったよ」と返してくれているような気もします。

目に見えるのはあくまでケーキの断面ですが、
その奥にある「自分のコンディション」もケーキは教えてくれる。

仕上がりには作り手の心の状態やどう集中できたかが、ちゃんと映るんですね。

ケーキへの誠実さは、自分の人生への誠実さ

生地制作の工程に入る前は、日常の延長上にあって落ち着かなかった意識も、
ケーキと向き合い始めるとすっと引いていきます。

泡立て器の重み、粉を混ぜ合わせる音、生地に含まれる空気、焼き色の変化。
すべてを観察し、五感で確かめ、調整する。

目の前のケーキが「いま、どんな状態か」に集中しているうちに、
自然と頭がクリアになっていく。

ケーキを整えることで、いつの間にか自分も整っている。
それが、私にとっての創作の時間です。

一切れに込めた「これまでの想い」は、目には見えません。

それでも、食べてくださった方の「美味しい」という小さな幸せの奥に
ケーキへの誠実さを込める。

その積み重ねが、ケーキに対する自信だけでなく、
自分の人生に対する信頼や肯定感も育ててくれています。

ケーキと向き合う時間がくれるもの

作るたびに思うことがあります。
それは「ケーキは、決して甘くない相手」ということ。

条件が違えば裏切られることもあるし、手を抜けばすぐに結果に出る。

でも、それをまっすぐ受け止め、
丁寧に積み重ねていくことでしか、確かな一切れは生まれません。

私はそれを知っているから、今日も生地と向き合っています。

そしてきっと、ケーキと真剣に向き合うその姿勢は、
働き方にも生き方にも、自然と反映されていくと、私は考えています。

konayukiは、ただの技術習得の場ではありません。
「どんなふうに生きたいか」を、ケーキを通して考えていける場所。

私が米粉やお米のシフォンケーキと向き合い続けた時間から、生き方の指針を得たように。

ケーキ作りを通して「その人らしい人生」に向き合える教室であり続けたいと思っています。