【60歳からの新しいスタート】シフォンケーキが導いた『わたしらしい人生』林亜美さんの物語

粉雪シフォンの日常

【病室で見つけた『これからの人生』】

静岡県沼津市に住む林亜美さん。
ぱっと見はとても元気そうな彼女ですが、実は大きな病気を2度も経験しています。

「病室の中で、これからの人生を考えずにはいられなかったんです。」

20年以上、介護の仕事を続けてきた林さん。
責任のある立場で働きながら、日々を懸命に生きてきました。

けれど心の奥では、ずっと考えていたことがありました。
それは

60歳からは、自分のための人生を生きたい」ということ。

『終わり』ではなく、『第二のスタート』。
その思いを形にしたくて出会ったのが、粉雪シフォンでした。

「この先生、どうしてこんなにすごいケーキが作れるんだろう」
画面越しに見たシフォンケーキのふわふわ感に心をつかまれ、
病室から「受講したい」とメールを送ったのが、すべての始まりでした。


【やりたいことが見つからない迷い】

病気や年齢をきっかけに「これからの生き方」を考える人は多いと思います。
けれど、「何をしたいか」が分からず立ち止まってしまう人も少なくありません。

林さんも最初は「おにぎり屋さんでもやろうかな」と思ったそうです。
でも、なぜかピンとこない。

「ケーキの中ではシフォンが1番好きで、よく買って食べていたんです。」
その『好き』が、次の人生を動かすきっかけになりました。


【最初はまったく分からなかった】

通信講座が始まったばかりのころ。
夜勤明けで動画を見ても「何これ?どうやって作るの?」と戸惑う毎日。

「何度も何度も動画を見返しても、全然わからなくて。」

けれど、もともと興味のあることだから、投げ出さなかった。
「仕事から帰ってきて、眠い目をこすりながら焼いたりしてました。」

だんだん膨らむシフォンを見て、「あ、できた!」と笑顔になる。
その瞬間が、疲れた心を癒してくれたのです。


【自分の財産になる『51種類のシフォン』】

努力を重ねた林さんは、今ではなんと51種類のシフォンケーキを作れるようになりました。

「普通のケーキ教室だったら、そんなにメニューは覚えられないと思います。
それが今では、全部自分の財産なんです。」

学んだことをベースに、自分らしいアレンジもできるように。
『教わる』から『創り出す』に変わった今、林さんの表情は明るく輝いています。


【小さな工房で『人が集う場所』を】

そしていま、林さんはご主人と一緒に小さな工房を建設中です。
ご主人は大工さん。


家の一部を増築し、製造と教室を両立できる空間にする計画です。

「リビングには大型犬が2匹いるので、教室は工房でやりたいんです。」

シフォンを焼きながら、生徒さんとお茶を飲んで笑い合えるような場所。
『売るだけではなく、人が集える場所』を目指しています。


【無理せず、続けられるペースで】

「70歳になっても、シフォンを焼いていたい。」

だからこそ、がむしゃらではなく、自分のペースを大切に。

近所の人たちにもおすそわけをしたら、
「お店できたら買いに行くね」と笑顔で声をかけられたそうです。

今はテイクアウトと予約販売を考えながら、
「いつかはショーケースを置いて、近所の方にも気軽に来てもらえるように」と、
ご主人にお願いしているところです。


【言葉にした夢が、形になっていく】

1年前、久しぶりに会った友人に「今、シフォンケーキ習ってるんだ」と話した林さん。
その友人たちは今、こう言います。

「言ってたこと、ほんとに全部やってるね。有限実行だね。」

林さんは笑いながら答えます。
「きっと、楽しかったから続けられたんだと思う。」

やらされている仕事ではなく、自分が心からやりたいこと。
それを見つけた瞬間、人生が再び動き出しました。


【60歳からの人生は『好き』から始まる】

林さんはこう話します。

「嫌なことだったら、とっくにやめてたと思います。
でも、シフォンは楽しかったから、ここまで来れたんです。」

病気をきっかけにではなく、新しい人生を選んだ60歳からのスタート。
そこには、年齢や環境ではなく、「好き」という気持ちがありました。

もし今あなたが、
「もう遅いかな」「何か始めたいけど自信がない」と思っているなら

その想いこそが、あなたの『次の一歩』です。
人生は、何歳からでも優しく始められます