なぜ、お店をやるのか。本当の理由を書きます

粉雪シフォンの日常

16年の答えを、岡山に置きます。

朝、オーブンの前に立つ。

天板に流した生地が、ゆっくりとふくらんでいく。

焼きあがる頃には、台所いっぱいに、米粉の甘い香りが満ちる。

この景色と、この香りを、私は16年間、見続け、嗅ぎ続けてきました。

そして2027年。
岡山で実店舗をオープンすると決めました。

私は、製造と運営を守るオーナーとして立つ予定です。

実店舗を持つというのは、とてつもない覚悟と、とてつもないお金が必要です。

法人3年目のkonayukiにとって、決して軽い決断ではありません。

それでも、やります。

なぜ、自宅テイクアウトを辞めてまで、わざわざお店を持つのか。

今日は、その理由を包み隠さず綴ります。


教室では、伝えきれないものがあった

2019年から、私は米粉シフォンケーキの教室を続けてきました。

レシピを伝える。
技術を伝える。

それは、間違いなく私の大切な仕事です。

でも、ある時から気づきはじめました。

レシピは、紙の上にしか残らない。
技術は、切り取れば形だけになる。

そして、konayukiという名前も、自分で立て続けないと、少しずつ薄れていく。

「教える」ということの限界。

カタチだけでは、どうしても伝わらないものがある。

私は、その事実から目を逸らせなくなりました。


konayukiの三つの段階

konayukiの歩みを、三つの段階で整理すると、こうなります。

教室業は、レシピを「広げる」段階。

パートナー養成講座は、レシピを「守る」段階。

そして実店舗は、レシピが「どこから生まれたのか」を示す段階。

広げて、守って、最後に原点を置く。

この順番でしか、たどり着けない場所がありました。


教室は「伝える場所」、店舗は「証明する場所」

教室は、技術を渡す場所です。

渡すたびに、その技術は私の手を離れ、生徒さんの手へ移っていく。

それは喜びです。
そのために、私は教室を続けてきました。

でも、店舗は違います。

店舗は、自分の作り上げたブランドを置く場所です。

朝、扉が開く。

前夜、焼きあがった作りたてのシフォンが、色鮮やかに店内に並ぶ。

テイクアウトを楽しむ居心地の良い空間。

イートインで味わう特別なスイーツセット。

口に運ぶと、ふわっじゅわっと溶ける。

その一瞬の体験をつくるために、空気、動線、光、音、すべてを整える。

その場所そのものが、konayukiという答えになります。

これは、誰にも複製できません。

レシピを覚えても、技術を学んでも、
「ここに原点がある」という事実だけは、場所にしか宿らない。

だから私は、住所と営業時間を持つ場所が必要だったんです。


店舗が持つ、二つの意味

私にとって、お店には二つの意味があります。

ひとつ目は、自分のためです。

16年積み上げてきたものの「原点」を、物理的に立てること。

ここに行けば、konayukiを生み出した本人が作り上げた形がある。

その味を、空気を、世界観を、実際に体験してもらえる。

その一点を、自分の手で作りたいのです。

もうひとつは、これからの人のためです。

パートナーの方、そしてこれから挑戦する人のための場所。

画面の向こうの成功ではなく、実際に触れられる場所。
商品として味わえる場所。
そこに立ち会える場所。

「ここまで来れるんだ」と実感できる場所。

実際には、私自身が独立した時、見本にできるお店はありませんでした。

シングルマザーで、元保育士で、シフォン専門。

誰も、この道を見せてくれなかった。

だから、自分で作ります。

岡山に来れば、必ず見本がある。

そういう場所を残します。


お金と覚悟の話

初期投資は、軽い金額ではありません。

物件、内装、厨房機器、看板、運転資金。

数字を見るたびに、生活資金の圧迫を感じるほどの現実があります。

法人3年目の私にとって、これは間違いなく大きな賭けです。

夜、一人で電卓を叩きながら、何度も問い直しました。

この道でいいのか。

本当に、konayukiの実店舗を形にしていいのか。

何度考えても、答えは変わりませんでした。

それでも、やる。

なぜなら、もう気づいてしまったからです。

紙の上には残せないものがある。
切り取れば、空洞になるものがある。
続けなければ、消えていくものがある。

それを置いておく場所を、自分で作るしかない。

これは、ただの事業拡大ではありません。
ただのブランド防衛でもありません。

自分の人生を、形にするための決断です。


物件を10件以上見に行きました

ここまで来るのに、10件以上の物件を見に行きました。

最初は、「岡山にお店を持つ」というだけで十分だと思っていました。

でも、見に行くたびに違和感が残る。

ここじゃない。
ここでもない。

その理由が分からないまま、探し続けました。

そして、ようやく気づいたんです。

私は、譲れない線を持っている。

外から店内が見えること。

駐車場が最低8台あること。

グリーンを植えられること。

街の空気が明るく、清潔であること。

これは、単なる条件ではありません。

konayukiの世界観そのものです。

外から見えないお店では、空気は伝わらない。

駐車場がなければ、ゆっくり来てもらえない。

緑がなければ、あの生地の柔らかさは表現できない。

理想は高いです。

でも、ここは絶対に下げません。

なぜなら、konayukiが立つ場所は、konayukiにしか決められないからです。


16年の答えを、岡山に置きます

2027年、岡山にお店を持ちます。

娘が立ち、私は場を整える。

ふわじゅわの生地が、誰かの口の中でほどける。

その光景が、繰り返される場所。

それが、私の16年の答えです。

レシピでも、教室でもなく、
「住所のある場所」という形で示します。

ここから、またkonayukiは次のステージに向かいます。


最後に

konayukiの歩みを、これからも見ていただけたら嬉しいです。

そして、
「一緒にこの世界をつくりたい」
そう思ってくださる方は、パートナー養成講座の扉を開いてください。

岡山のお店は、その先に、必ずあります。 →