「konayukiって何?」と聞かれた時、私たちはなぜ止まるのか

粉雪シフォンの日常

ある日、これからパートナーとして活動を始める生徒さん、あーやんから、とても大切な言葉をいただきました。

その日は、食品表示ラベルの確認をするために集まった時間でした。
けれど、最後に交わした会話の中に、これから粉雪を受け継ぐ人たちにも伝えたい言葉があったんです。

あーやんさんは、同日、ご自身のスパイス講座を終えたあと、試食として粉雪シフォンを出したそうです。

食べてくださったのは、パン屋さんで働いている方。
パンやお菓子のことをよく知っている、食へのアンテナが高い方でした。

その方がシフォンを食べて、

「何これ?」
「どうやって作るの?」

と、とても驚いてくださったそうです。

感動してもらえた。
すごく嬉しかった。

でも、その次の瞬間に、あーやんさんは止まってしまったそうです。

「粉雪って何?」

そう聞かれた時に、何と答えたらいいか分からなかった。

その話を聞いた時、私は胸がぐっとなりました。

なぜなら、これはあーやんさんだけの話ではないと思ったからです。
これから粉雪シフォンを焼いて届けていく人たちの多くが、同じ場面に立つと思ったからです。


食べた人が「何これ?」と言ってくれた時こそ、伝える大切な場面

konayukiのシフォンは、食べた人に驚かれることがあります。

米粉なのに重く感じない。
ノンオイルなのに物足りなくない。
ふわっとして、優しく解けて、今まで食べた米粉シフォンと違う。

だからこそ、食べた人は聞きたくなります。

「これ、何?」
「どうやって作るの?」
「どこで習ったの?」

この瞬間は、ただ

「他所でで習いました」

で終わらせるには、もったいない場面なのです。

食べた人が驚いてくれたその時に、

「これはkonayukiで学んだ粉雪シフォンです」

と伝えられたら、その人は初めてkonayukiという名前に出会えると思うんです。

でも、そこで焼いている本人が言葉に詰まってしまうと、せっかく感動してもらえたのに、開発までの背景までは届きません。

あーやんは、そのことを自分の体験として話してくれたんですよ。

「私は作っている。
でも、これは私が一から作り出したものではない。
私は、粉雪で学んで、それを焼いて届けているだけで・・。

そこをちゃんと伝えた方がいい。
出さないともったいない

そこまで言い切ってくれました。

この「もったいない」という言葉が、私にはとても大きいと思ったのです。


「作っているのは私。でも、私は作っただけ」

あーやんは、こう話してくれました。

作っているのは私。
でも、私は作っただけであって、開発までの道のりがあったのとは違うじゃないですか。

この言葉は、とても誠実な言葉だと思いました。

もちろん、焼いているのはあーやんさんです。
練習して、準備して、自分の場所でお客様に出すのもあーやんさんです。

だから、お客様から

「美味しい」
「すごい」

と言われたら、それはあーやんさん自身が受け取っていい言葉です。

でも同時に、あーやんは、

「そこだけで終わらせたくない」

と言ってくれました。

このシフォンには、元がある。
この食感を作り上げた人がいる。
そこを出した方がいい。
出さないともったいない。

この感覚が、私はとても嬉しかったのです。

それは、私を立ててほしいという話ではなくて
「直子先生をすごいと言ってほしい」という話でもないです。

そうではなく、konayukiには、元になった技術と時間がある。
そこを隠したまま、ただの美味しいシフォンとして終わらせるのはもったいない。

あーやんは、そう感じてくれたのだと思います。


「何も知らない人に、何をどう伝えたらいいのか」

あーやんは、さらにこう伝えてくれました。

何も知らない人に、何をどう伝えたらいいのか。
それを、みんなが分かっていた方がいい。

これは本当にその通りだと思いました。

粉雪シフォンを学んだ人は、作り方を学びます。
焼き方を学びます。
ラベルや販売の準備も学びます。

でも、お客様から突然、

「粉雪って何ですか?」

と聞かれた時の答えは、まだ持てていない人が多いかもしれません。

だから、現場で止まってしまう。

美味しいと言ってもらえたのに。
驚いてもらえたのに。
そこから先に、粉雪の背景を伝えられない。

それが、あーやんにとって「もったいない」だったのだと思います。


隣にいた純代ちゃん(製造スタッフ)が言葉にしてくれたこと

その話をしていた時、隣には製造スタッフの純代ちゃんもいました。

純代ちゃんは、粉雪シフォンを日々焼いている人です。
作ることの大変さも、技術の細かさも、現場でよく分かっている人です。

その純代ちゃんも、

もし、

「教えてくれないんですか?」

と聞かれたら、

「私は教えません。
岡山には元の先生がいるから、そちらにご招待します。
私は作れるけれど、教えられません。」

そう言う、という話でした。

この言葉にも、感謝しました。

粉雪シフォンは、作れるようになったら誰でも教えていいと許可を出していません。

作ること。
届けること。
教えること。
育てること。

それぞれに役割があります。

純代ちゃんの言葉は、粉雪の技術を大切に扱うための、誠実な線引きです。

「私は作れる。
でも、教える立場ではない。」

この一言が言えることは、これからkonayukiのシフォンを受け継ぐ人にとって、とても大切だと思います。


食に詳しい人ほど、簡単に聞いてくる

あーやんは、その時に来られていた方が、有名なパン屋さんで働いている方だったことも話してくれました。

パンやお菓子のことを知っている人。
情報を欲しがっている人。
食に対してアンテナが高い人。

そういう方ほど、

「これ教えて」
「レシピ教えて」
「作り方教えて」

と、簡単に聞いてくることがあります。

でも、そこで間違ったことを言うと、自分にも関わる。
そして、自分の後ろにある粉雪にも関わる。

あーやんは、そう感じていました。

これは、本当に大切な感覚です。

粉雪シフォンは、作り方だけを聞けば同じように焼けるものでもありません。

そこには、今まで積み上げてきた時間があります。
守ってきた技術があります。
簡単に渡してほしくありません。

だからこそ、聞かれた時にどう答えるかを、みんなが持っていた方がいい。

あーやんは、そこを言葉にしてくれました。


あーやんさんが求めていたもの

彼女は、「聞かれて自分が困った」で、終わらせようとしませんでした。

自分が今日困ったから、きっと他の人も困る。
だから、みんなが見られるものがあった方がいい。
初めて食べた人に、konayukiが何なのかを簡単に伝えられるものが欲しい。

そう話してくれました。

これは、ものすごく大事な提案だと思いました。

なぜなら、konayukiを学んだ人たちがそれぞれの場所で焼くようになると、きっと、同じ質問を何度も受けるからです。

「konayukiって何?」
「誰が作ったの?」
「どこで習えるの?」
「教えてもらえるの?」

その時に、人によって答えがバラバラだと、粉雪の伝わり方もバラバラになります。

でも、最初に伝える一言がそろっていれば、お客様に誤解なく届きます。

彼女は、そこを感じてくれたんですね。


「すごい」と言われた時に、どう返すか

あーやんは、誰かから

「すごい」

と言われた時には、こう伝えると話してくれました。

「実は、こういうことを考えてやっている人がいて、私はそこから習ったんです。」

この言葉が、とても自然で、私はいいと思いました。

自分を下げているわけではないですし
自分の努力をなかったことにしているわけでもないです。

でも、源流を隠していない。

私は粉雪で学びました。
このシフォンには、元になった技術があります。
その技術を受け取って、私は今、自分の場所で焼いています。

そう伝えることができる。

これが、konayukiの存在を尊重できる人の自然な姿だと思います。


「粉雪というものを広げていきたい」

彼女は、最後にこう話してくれました。

直子先生が伝えている粉雪ブランドは、konayuki」というものを広げていきたいという思いだと思う。
それが伝えられるように、私はなりたい。

この言葉を聞いた時、私は本当に嬉しかったです。
正直嬉しくて泣けそうだった🎵

誰がそんなことを、過去、言ってくれたでしょうか!

konayukiを広げるというのは、

食べた人が、

「何これ?」

と言った時に、

「これは、konayukiで学んだ粉雪シフォンです」

と伝えられること。

「私は焼いて届ける立場です。学びたい方にはkonayukiをご案内します」

と線引きできること。

そして、このシフォンの後ろには、積み重ねてきた技術と時間があることを、簡単な言葉で伝えられること。

それが、一緒にkonayukiを広げるということだと思います。


「konayukiって何ですか?」と聞かれた時

長く説明する必要はなくて、最初の一言は、これくらいでいいです。

konayukiは、岡山で生まれた、グルテンフリー・ノンオイルのシフォンケーキブランドです。
米粉とお米を使った、ふわっとほどけて、じゅわっと余韻が残る食感を大切にしています。
私はそこで学び、自分の場所で焼いています。

もし、作り方やレシピを聞かれたら、

私は粉雪シフォンを焼いてお届けする立場です。
教えることはしていません。
学びたい方には、konayukiの講座をご案内しています。

この言葉で十分です。

迷わずこの一言が言える。

それだけで、食べた人に粉雪の背景を伝えることができますし、その人の誠実さが伝わります。

あーやんからいただいたリクエストをもとに、用意させていただいたものが、こちらです。

これからのパートナー、メゾン生全員に、任意で使ってもらう形で提供していきます。


これから粉雪を受け継ぐ方へ(まとめ)

konayukiのシフォンの食感を作れるようになることは、とても大切で、価値が上がります。

でも、それだけで終わりではありません。

お客様が、

「美味しい」
「すごい」
「何これ?」

と言ってくださった時、そこから先に何を伝えるか。

そこまで含めて、konayukiを届けるということだと思っています。

作れるようになった人が、

「自分がすごい」

で止まるのではなく、

「私はこの粉雪シフォンを学び、受け取って、自分の場所で焼いている

と伝えられること。

教えてほしいと言われた時に、

「私は教える立場ではありません。学びたい方にはkonayukiをご案内します」

と言えること。

それは、粉雪を守るためだけではありません。
食べて感動してくださった方に、正しく背景を伝えるためです。

あーやんさんが話してくれた言葉は、これから粉を学ぶ人たち全員に届けたい言葉でした。

粉雪シフォンは、レシピだけで受け継ぐものではありません。

焼く。
届ける。
聞かれた時に答える。
教える立場との線引きをする。
そして成長の第一歩を支えるブランドとして扱う。

その全部が、konayukiを受け継ぐということだと思っています。

konayukiは、毎年

1月、5月、9月に、開講スタートしてきました。

次回9月は、予定通り、まだまだ仲間を増やすべく募集する予定です。

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