こんにちは。
今回は、私のシフォンケーキの大きな特徴でもある
「グルテンフリー・ノンオイルなのに、ふわじゅわ食感」
についてお話ししたいと思います。
動画でもお話しています。
「体に優しいから、味が落ちるのは仕方ない」を受け入れたくなかった
一般的にグルテンフリーのお菓子には、
- パサつきやすい
- 重たくなりやすい
- 翌日には食感が落ちやすい
そんなイメージがあります。
さらにシフォンケーキから油を抜くとなると、
しっとり感を出すのはもっと難しくなります。
だからこそ、
「体に優しいお菓子だから少し我慢する」
という考え方が当たり前になりがちです。
でも私は、その考え方で終わりたくありませんでした。
私が目指したのは「ふわじゅわ」
ただふわふわしているだけではない。
ただ軽いだけでもない。
口に入れた瞬間にふわっとほどけ、
そのあとにじゅわっと水分を感じる。
そして飲み込んだあとには重たさが残らず、
優しい余韻だけが残る。
私はこの食感を
「ふわじゅわ」
と呼んでいます。
これは単なる食感の説明ではありません。
米粉やお米の可能性を信じ続けてきた私自身の挑戦の証でもあります。
何かを良くすると、何かが崩れる
ここまで来る道のりは、失敗の連続でした。
水分を増やせば生地がゆるむ。
減らせばしっとり感が失われる。
軽さを出そうとすると満足感がなくなる。
満足感を出そうとすると重たくなる。
何かを改善すると、別の何かが崩れてしまう。
その繰り返しでした。
何度焼いても納得できない日。
原因が分からず悩み続けた日。
レシピを書き換えては失敗し、また焼いて確認する日々。
ふりかえれば、私のシフォンケーキはそんな試行錯誤の積み重ねでできています。
「それは、作れない」と言われたレシピ
特に印象に残っているのが、
国産レモンと蜂蜜を使ったシフォンケーキの開発です。
レモンは酸が強く、水分量も多い。
蜂蜜は生地のバランスを崩しやすい。
さらに私は砂糖を極限まで減らしたい。
理論だけで見れば、
「それは難しい」
と言われても不思議ではない配合でした。
実際に、
「その配合では作れないのでは?」
と言われたこともあります。
理論を否定したかったわけじゃない
私は理論を軽視しているわけではありません。
むしろ理論はとても大切です。
ただ、
理論だけで可能性を閉じたくなかった。
それだけなんです。
私には先に理論があったのではなく、
先に「作りたい味」がありました。
届けたい食感がありました。
そのあとから、
失敗と検証を繰り返しながら理論が積み上がっていったのです。
レシピには数字以上のものがある
レシピは単なる数字の組み合わせではありません。
その裏には、
- 何度も失敗した時間
- 諦めなかった日々
- 原因を考え続けた夜
- お客様に喜んでほしいという想い
があります。
だから私はレシピだけでなく、
その背景や考え方も一緒に伝えていきたいと思っています。
「飲めるシフォンジュースですね」
以前、お客様からこんな言葉をいただきました。
「これ、飲めるシフォンジュースですね」
私はその言葉が今でも忘れられません。
ふわっとほどけて、
じゅわっと広がり、
すっと消えていく。
まさに私が目指していた食感そのものだったからです。
おわりに
私が作りたかったのは、
「体に優しいから仕方ないお菓子」ではありません。
体に優しいのに美味しい。
ノンオイルなのに満足感がある。
グルテンフリーなのに感動できる。
そのすべてを諦めずに追い続けてきました。
だから今の粉雪のシフォンケーキがあります。
そしてこれからも、
食べた方の記憶に残る一台を目指して焼き続けていきたいと思っています。
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