70人×30メニューを一人で見ていた私に、添削チームができるまで

konayuki本部

習う場所を選ぶとき、
「誰に、どんなふうに見てもらえるのか」
は、とても大事なことですよね。

konayukiでは今、生徒さんが焼いたシフォンを、私一人ではなく、本部のチームで見ています。
今日は、そのチームのお話をさせてください。

※画像は2026年夏 knayuki自宅で作業会をした日の一枚

一人で見ていたころ

2019年に教室を始めてから、2024年の初めまで。
何人来てくださっても、私一人で見ていました。

いちばん挑戦していたのは、2021年から2023年です。
24人の期と19人の期、16人の期が重なって、一度に60人近く。

一人ひとりが30のメニューを学ぶので、その一つひとつを、私一人で担当していました。
生米のシフォンが始まってからは、総勢80人ほどを一人で見ていた時期もありました。

今思えば、ただ粉雪シフォンが日本中に広まればいいな、という無鉄砲なやり方でした。

「今期は何人集まるかな?」

集客を楽しむように開催していたといっても過言ではありませんでした。


ルールを見直す時間も取れず、一人ひとりの成長を最後まで見届けることも、だんだんおろそかになっていきました。

認定講師という肩書きを渡したこともありました。
けれど、粉雪シフォンの混ぜ方を「そこまでしなくても」と簡単にしてしまう伝え方が、生徒さんへ、またその先へと広がっていったこともあります。

肩書きを渡すことと、その肩書きを持つ一人ひとりが技術を大切に伝える人へと育っていくこと。

その両方を実現することが、これほど難しいのだと、私はこの時期に学びました。

「もっと私たちの力を借りて」

右も左もふさがれ、疲れきっていたころ、今いちばん長く一緒にいてくれる恵美子さんが、こう言ってくれました。

「先生、大変じゃない?もっと私たちの力を借りて」

そこから、恵美子さん、加代子さんと私の3人で、生徒さんの技術を育てる形が始まりました。
2024年の秋ごろのことです。

教室から、事業へ

2023年12月に、konayukiは法人になりました。
ちょうど、一人で大勢を見ていた真っただ中のことです。

そのころから経営を学び、少しずつ仕組みをつくるようになりました。
お菓子の世界で、教室を組織にしていく例はほとんどなく、何もかもが手探りでした。

仕組みをつくり、本部を置く。
教室だったkonayukiは、目まぐるしく事業へと変わっていきました。


今は、お店を開く人を育てるkonayukiメゾンという形で、少ない人数をじっくり見ています。

今は、私を入れて8人の本部

今、konayukiの本部は、私を入れて8人です。
住んでいる場所はばらばらなので、毎月一度、Zoomで集まっています。

困っていることはないか。
添削で、引っかかっていることはないか。
これから、何に取り組むか。
一人ずつ、この1か月のことを話していく会です。

先日の会は、添削の話がとても深くなりました。
そこで見えたのは、一人ひとりが、それぞれの形で粉雪シフォンの技術を大切にしてくれている姿でした。

名前を背負うお店だから

添削をいちばん多く見てくれている、講師の栗原薫さん。

konayukiメゾンで学んだみなさんは、お店の名前にkonayukiを入れます。
中には、悩んだ末に、それまでの店名を変える決意で入られた方もいます。

そのことについて、薫さんはこう話してくれました。

「本部側には、その選択をしてよかったと思っていただけるよう、
最大限にサポートしていく責任があると思っています。
『店名を変えてよかった』と思ってもらいたいんです」

だからこそ、konayukiの名前を掲げる以上、どこのお店でも同じ品質を守れることが大切なのだと。

薫さんは以前、カフェで料理長を任されていたことがあります。
本当においしいものを出していても、お客様が来ない毎日を経験しました。
だから、おいしいものを作れる技術だけでは、お店は続かないことを、身をもって知っています。

それでも薫さんは、こう言います。

「おいしいものを当たり前に作れることは、スタートラインに立つための条件だと私は思っています」

その言葉どおり、薫さんは、エア混ぜや合わせ混ぜの段階から、生徒さんの動きをきちんと見ています。
生徒さんの手元の写真と私の動画を並べて、角度や動きに矢印を書き込み、一枚の紙にまとめて返してくれています。
それを印刷して、ファイルにとじている生徒さんもいるそうです。

それでも、文字だけで伝えるのには限界がある、と薫さんは話していました。
ゴムベラ(生地を混ぜる道具)をボウルに入れるとき、力をすっとかけるのか、少しずつかけていくのか。


その感覚は、文字ではどうしても伝えきれない。
そこで、自分で動画を撮って、語りかけるように返してみた。
すると、生徒さんの手が変わったそうです。

先日、薫さんから届いたメッセージには、こんな一文もありました。

「生徒さんが独立され、途絶えることがないお客様と毎日過ごせる環境は、オーナーの頑張りとkonayukiのシフォンだからこそなんだと改めて思います。これは当たり前じゃないんだよなあと」

薫さんの言葉にふれるたびに、本当に頭が下がる思いです。
本当はそこまでお願いしたかったけれど、言えずにいたこと。
それを薫さんは、自分から形にしてくれていたんです。

生徒さんの声から、順番を見直す

オンラインで学ぶと、自分の手元を撮って見せる宿題が続きます。
仕事や家庭の事情によっては、それが大変な時期もあります。

だから3期の生徒さんからは、添削をする講師とは別に、一人ひとりの進捗状況を確認する相談役を置く事にしました。
困ったときに、まず話せる人が居ること。
それも、技術を最後まで届けるための大事な仕組みです。

その役をしてくれているのが、今ではあーやんです。
あーやんは、自分の役割をこんなふうに話してくれました。

「多くの不満は不安からきます」
「安全や安心あってのやる気と技術です」

生徒さんの安心の土台にいて、気持ちを支えること。
それが自分の役割の一つだと、あーやんは考えてくれています。

そのあーやんが、生徒さんの声を聞くなかで気づいたことがあります。

届く質問の多くが、「これをしないと、次に進めないんですか」というもの。
シフォンを見てもらうための添削が、いつの間にか、提出するための添削になっている。
順番が逆になっているように感じる、と。

そこから生まれたのが、 
一年の道のりを一枚で見られる「ロードマップ」のアイデアです。

今、自分はどこにいて、次に何をするのか。
戻る場所が一つあれば、すぐに飲み込める人も、ゆっくり進む人も、安心して歩いていけます。

その人に届く言葉で

講師の亜実さんは、焦りやすい生徒さんには、言うことは言いながら、言葉に気をつけて返していると話してくれました。

同じことを伝えるのでも、その人がまた前を向けるように。
亜実さんは、技術を、その人に届く言葉にして返してくれています。

本部が、仲間であること

会の終わりに、恵美子さんがこんな話をしてくれました。

本部のメンバーが本当に仲間意識を持っていないと、パートナーのみなさんに「仲間ですよ」とは言えない。
だから、思っていることは、この中でどんどん話していこう。

離れて暮らしているからこそ、言葉にして伝え合う。
その大切さを、みんなで確かめ合った夜でした。

自分たちで答えを出すチームに

この日の話し合いで、決まったことがあります。

・エア混ぜ(ボウルに生地を入れずに、混ぜる動きだけを練習すること)と、合わせ混ぜの添削は、受講生が理解しやすい動画で返す形にしていく
・一年の流れが分かるロードマップを作る

どちらも、生徒さんと毎日向き合っているみんなの声から生まれた答えです。
一人で70人を見ていたころの私には、出せなかった答えだと思います。

誇りに思っていること

本部のみんなは、もう、先生のお手伝いをする人たちではなくなっていました。

粉雪シフォンを、大切なブランドとして扱ってくれている。
シフォンの向こうにいる生徒さんに、本気で向き合ってくれている。

配合が似ていれば、混ぜ方を簡単にしても、それなりにおいしいシフォンは焼けます。
それでも本部のみんなは、1秒、2秒の違いにまで、こだわってくれています。
人としても、心から信頼できる人たちです。

これほどまでに粉雪シフォンの技術を大切にしてくれる人たちが、konayukiに集まってくれている。
そのことが、私の誇りです。
ありがたくて、涙が出そうなくらいです。

konayukiで学ぶみなさんの一台を、このチームが見ています。

受講を考えている方へ

シフォンは、
手を動かして練習する中で、
少しずつ分かってくることが
たくさんあります。

そして、学び方や、
学んだ先の進み方についても、
一人ひとり確かめたいことがあると思います。

メゾンに興味を持ってくださった方は、
作ってみたいものや、
これからやってみたいことを、
聞かせてくださいね。

講座の内容や進め方について、
気になることも聞いてください。

お話しすることで、
ご自身が大切にしたいことや、
次に確かめたいことが
見えてくる場合があります。

こうして、
一人ひとりの気持ちや目標を聞きながら、
メゾン生の皆さんが成長していけるよう、
私も全力で関わらせていただいています。

これから新しく出会う皆さんは、
どんな思いで
シフォンを作りたいと思っているのでしょうか。

そのお話を聞けること、
そして一緒に学びを進めていけることを、
楽しみにしています。

皆さんの思いを、少しずつ本気で形にしていくための学びが、konayukiの共創型開業です。

技術の習得から商品づくり、販売やお店の準備まで、それぞれの目標に合わせて進んでいきます。

ご興味のある方は、こちらから詳しい内容をご覧ください。

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