お店の場所も時期も決まってない。 それでも今、シフォンを学び始めていい理由

日常

メゾン3期生がスタートして早1か月が来ようとしています。

今日は、今回集まってきてくださった生徒さんの、個別セッションの時の様子を少しご紹介させてください。

最初の個別セッションでは、このようなご相談内容でした。

「いつか、自分の作ったシフォンを、誰かに食べてもらえたらいいなと思っています」

そう話してくださった、50代後半の女性です。

まだ、お店を出す場所は決まっていません。

いつ始めるかも、どんな形で販売するかも決まっていない。

資金のことも気になる。

「こんな状態で、今から学んでもいいんでしょうか」

最初は、そんなご相談でした。

でもね、じっくりお話を聞いてみたら、

私にはもう、始まりかけているように見えたんです。

その方は、すでに人へ届けていました

その方は、ご家族のお仕事を手伝いながら、畑で採れた野菜を使ってお菓子を作ったり、行事のときにシフォンを焼いたりしていました。

作ったシフォンは、自分で食べるだけではありません。

人が集まる日にお出ししたり、お参り先への手土産にしたり。

「これ、よかったら食べてください」

そう言って、人に渡すことが好きなんだそうです。

この話を聞いたとき、私、思わず言ったんです。

「もう、既に、されているではないですか✨」って。

お店がなくても、値段が決まっていなくても、

その方はもう、自分の手で作ったものを人へ届けて、喜んでもらう経験を重ねていたんです。

私は、こういうお話を聞くと、もう嬉しくなるんですよ。

だってね、シフォンを仕事にする始まりは、立派な厨房や看板を用意することとは限らないからです。

「この人に食べてもらいたい」

そう思って、一つ包んで渡す。

そこから始まる人も、たくさんいます。

周りのお店も、自分の足で見に行っていました

その方は、個別相談の前後で、シフォンを販売しているお店にも幾度と足を運んでいました。

週に一度開くお店。

カフェで販売しているお店。

お取り寄せ。

お店の雰囲気もいろいろ確かめて、実際にお店によって食べてみたそうです。

その感想が、正直でね。

「食べてみたら、“こんなもんか”と思ったんです」

って。

けれど、その次に出てきた言葉は、

「自分が作っても、同じように思われるのかな」

だったんです。

分かるんですよ。

人の商品を見て、

「私なら、もう少しこうしたい」

と思う気持ちはある。

それでも、自分がお金をいただく側になると、急に怖くなる。

「本当に私の作ったもので、喜んでもらえるんかな」

「わざわざ買いに来てもらえるんかな」

そこになると、自分のことは小さく見えてしまうんですよね。

でも、この方が見てきたお店の中には、一年以上続いているところもありました。

週に一度でも、商品を待っているお客様がいる。

大きなお店を持つことだけが、仕事の形ではないんです。

その地域と、その人の暮らしに合う形なら、小さく始めることもできます。

お店が決まってから学ぶ。その順番でなくてもいい

「一年学んでも、そのときにお店が決まっていなかったら、どうなるんですか」

そんな質問もありました。

ここが、この方にとって一番大きな不安だったのだと思います。

学ぶなら、そのあとすぐに開業しないといけない。

まだお店が決まっていない自分は、参加する段階に来ていない。

どこかで、そう感じておられたんですね。

でも私は、

「場所が決まってから、技術も商品も販売の準備も全部始める方が大変なんですよ」

とお話ししました。

場所が決まれば、家賃が始まります。

開店の日も近づいてきます。

そこから初めてシフォンの技術を整えて、商品を考えて、写真を撮って、価格を決めて、発信を始める。

これを一度にするのは、本当に大変です。

だから先に、商品を育てておく。

konayukiの技術を土台にしながら、自分の地域や、使いたい素材、届けたい方に合う商品へ育てていく。

食べてもらって、感想を聞く。

自分はどんな方へ届けたいのかを知っていく。

その時間があるから、あとからお店の形が見えてくるんです。

最初から答えを全部決めて、そこへ向かう人ばかりではありません。

学びながら、

「月に一度の販売ならできそう」

「まずはイベントに出てみたい」

「自宅の一部を工房にできるかもしれない」

と、自分に合う形を見つける方もいます。

未来の形が、もう少し見えてきました

この方は、畑で採れたニンジンやホウレンソウ、カボチャを使って、シフォンを作ってみたいと話してくださいました。

実際にご自分で試してみたけれど、思うようにできなかったものもあったそうです。

このお話を聞いたとき、

私の頭の中には、その方の未来がふわっと浮かびました。

ご家族が育てた季節の野菜。

その土地で暮らす方々。

健康を大切にしながら、日々を過ごしている人たち。

そこへ、グルテンフリーでノンオイルの、ふわじゅわのシフォンが届いていく。

「これ、ニンジンが入っとるん?」

「何これ。おいしいなあ」

そんな声が聞こえてくるような気がしたんです。

もちろん、どんなお店になるかは、これからです。

でも、その方の暮らしの中には、商品へ育っていく材料も、食べてくださる方との関わりも、すでにありました。

何もないところから始めるわけではなかったんです。

最後に出てきた言葉

相談の終わり頃、その方が何度か言われたんです。

「やっちゃおうかな」

「やっちゃおうかな」

って。

私も、

「じゃあ、もうやっちゃう?」

って。

このやり取りがね、何ともかわいらしくて、今も心に残っています。

最初は、

「まだ何も決まっていません」

と話されていた方です。

けれど、話していくうちに、ご本人の中にすでにあるものが見えてきました。

人に食べてもらうことが好き。

地域の人とのつながりがある。

身近な素材を使ってみたい。

せっかく学ぶなら、中途半端にせず、きちんと身につけたい。

最後に学ぶと決めたのは、私が未来を与えたからではありません。

お話ししながら、その方が自分の中にあった未来を、自分で見つけていったんだと思います。

場所が決まる前にも、できることがあります

いつかシフォンを仕事にしたい。

けれど、場所も時期も決まっていない。

そんな方は、まず次の三つから始めてみてください。

一つ目は、地域のお店へ行き、商品を買って食べてみること。

二つ目は、自分のシフォンを身近な方へ届け、感想を聞くこと。

三つ目は、自分がどんな方に喜んでもらえたら嬉しいのかを、書き出してみること。

お店を借りる前だからこそ、焦らずに試せることがあります。

作って、渡して、喜んでもらう。

その小さな積み重ねの中から、自分に合う仕事の形が見えてきます。

「まだ何も決まっていない」と思っている方の中にも、

すでに始まっているものが、きっとあります。

あなたは今、誰にシフォンを食べてもらいたいですか。

そこが見えたら、最初の一歩は、もう始まっています。

konayuki MAISONでは、米粉と生米のシフォンの技術を学びながら、自分の暮らしや地域に合う商品と仕事の形を、一緒に考えていきます。

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